平成21年度以降の問題は、択一問題40問があり、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理の順番に、8問ずつが出題されています。
問題分析は、令和元年度~令和6年度を対象に行いました。(平成30年度以前は後ほど)




各年度問題分析
令和6年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 労働関係諸法令 | 労基法・有休・自己申告制・変形労働時間制 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | 高年齢者雇用安定法 | 定年延長・継続雇用・無期転換・グループ会社 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | 育児・介護休業法 | 産後パパ育休・研修・面談・公表義務 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | 労災保険 | 保険給付・適用対象・通勤災害・複数事業場 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | 健康経営 | 健康経営優良法人・ESG・ブライト500 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-14 | ダイバーシティ・マネジメント | 雇用形態・WLB・均等法・イノベーション | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | キャリア自律・リスキリング | キャリアコンサル・守秘義務・学び直し | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-16 | モチベーション理論 | マズロー・ハーズバーグ・X理論Y理論・科学的管理法 | 対応関係選択問題 |
令和5年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 労基法・安衛法 | 時間外労働・協定届出・60時間超・裁量労働・産業医 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | 女性活躍・育児関連法 | 数値目標・均等法・育休ハラスメント・出勤率・えるぼし | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | パワーハラスメント指針 | 優越的言動・同僚の加害・相談窓口・不利益取扱い禁止 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | 個別労働紛争解決制度 | 総合労働相談・あっせん・仲裁裁定・労働審判 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | 組織開発 | 診断型・対話型・X理論・コンテント・AI(Appreciative Inquiry) | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-14 | 社員格付制度 | 職能資格・職務等級・ジョブ型・降格・キャリア報酬連動 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | 教育訓練の技法 | ケース・インバスケット・ロールプレイ・ブレスト | 対応関係選択問題 |
| I-1-16 | 心理的安全性と業績 | 高/低の組合せ4象限・典型職場像(保身・協力・抑圧・成長) | 対応関係選択問題 |
令和4年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 労務管理 | 就業規則・年休付与義務・変形労働・勤務間インターバル | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | パート・有期雇用労働法 | 労働条件明示・就業規則意見聴取・待遇差是正・福利施設・調停制度 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | テレワークガイドライン | 労働時間管理・中抜け時間・賃金・情報機器記録・移動時間 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | 労働安全衛生・ストレスチェック | 高ストレス者・面接指導・診断結果通知・健康診断報告 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | 組織構造 | ティール・ネットワーク・ピラミッド・マトリクス組織 | 対応関係選択問題 |
| I-1-14 | 組織コミットメント | 情緒的・功利的・規範的・報酬・恩義・定着戦略 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | 雇用類型(ジョブ型・メンバーシップ型) | 雇用区分・報酬構造・人材育成・外部市場・内部育成・リーダー育成 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-16 | 人事考課 | 成績考課・相対評価・客観性原則・職位と考課・能力考課 | 不適切な選択肢選択問題 |
令和3年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 労使関係 | 団体交渉・交渉事項・労働委員会構成・あっせん・調停案 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | 労働者派遣法 | 3年ルール・離職後受入禁止・時間外労働・施設利用・待遇情報 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | 育児・介護休業法・労基法 | 介護休業93日・短時間勤務措置・取得要件・出勤率除外 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | セクシュアルハラスメント指針 | 方針明確化・環境型ハラ・職場の定義・派遣労働者・顧客による加害 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | 組織文化 | 暗黙の前提・形式規範との違い・変化適応性・部門別文化 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-14 | 労働分配率・労働生産性 | 景気連動・規模別分配率・雇用者報酬・産業別生産性・G7名目GDP | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | メンター制度 | 女性活躍・研修対象・直属回避・就業時間内・情報の守秘性 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-16 | 組織構造(職能別 vs 事業部制) | 専門性蓄積・規模の経済・変化対応力・経営者育成 | 対応関係選択問題 |
令和2年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 高齢者雇用・男女均等法 | 定年・雇用保険・継続雇用・年齢制限・子法人雇用 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | メンタルヘルス・ストレスチェック | 衛生委員会・80時間通知・選定基準・努力義務・面接申出対応 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | 障害者雇用促進法 | 障害者の定義・納付金・調整金・均等機会・雇用率算定 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | ダイバーシティ・マネジメント | 差別解消・人権・WLB・評価の多様化・業績連関否定 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | ジョブローテーション | 適材適所・理解促進・環境適応・スペシャリスト・職務給 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-14 | 技能実習制度(技能実習法) | 実習計画・労働力調整禁止・講習・賃金・実習期間 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | 能力開発手法 | OJT・OFF-JT・自己啓発・ブレインストーミング・異動・配慮 | 対応関係選択問題 |
| I-1-16 | 人的資源管理用語の理解 | コンピテンシー・サーバント・ハロー効果・コンテント/プロセス | 対応関係選択問題 |
令和元年度
| 問題番号 | テーマ | キーワード | 問題の特徴 |
|---|---|---|---|
| I-1-9 | 労務管理 | 賃金支払・就業規則変更・配置配慮・解雇禁止・派遣の無期転換 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-10 | 働き方改革関連法 | 時間外上限・年休5日指定・労働時間把握・勤務間インターバル・産業医情報提供 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-11 | 労使関係 | 就業規則意見聴取・労働協約適用・不当労働行為・休業手当・あっせん | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-12 | パワーハラスメント | 優位性・業務指導の範囲・行為類型・あっせん制度・措置義務法の誤認 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-13 | 人事評価とバイアス | ハロー効果・感情バイアス・中央化傾向・自己投影・多面評価 | 不適切な選択肢選択問題 |
| I-1-14 | 行動モデル | X/Y理論・マズロー・ハーズバーグ・ホーソン実験・同調行動 | 適切な選択肢選択問題 |
| I-1-15 | 教育訓練と技法 | 講義法・ケース・ブレスト・ロールプレイ・目的別手法 | 対応関係選択問題 |
| I-1-16 | 組織開発 | 診断型・対話型・プロセス/コンテント・同時最適・現場適合 | 不適切な選択肢選択問題 |
以下、作成中
過去問演習は有効か?
過去5年分(令和元年~令和5年)の問題を踏まえることで、令和6年度の多くの設問に対応可能であった。したがって、過去問を活用した出題傾向の把握は、試験対策として有効である。
以下、確認結果です。
Ⅰ-1-9
令和6年度 I-1-9 の内容(確認)
テーマ: 労働関係の諸法令
出題形式: 5つの選択肢の中から「最も不適切なもの」を選ぶ設問。
問われている知識: 労働基準法を中心とした労働時間・休暇・労務管理に関する制度の理解。特に「変形労働時間制」「年次有給休暇の時季指定義務」「自己申告制での労働時間把握」「勤務間インターバル制度の努力義務」などが問われている。
根拠:
- 令和4年度 I-1-9
選択肢③で「1年単位の変形労働時間制において、労働者が自由に始業・終業時刻や休日を決定・変更できる」と記載されており、令和6年度 I-1-9 の選択肢⑤と内容的に同一。 - 令和元年度 I-1-9
変形労働時間制に関連する記述はないが、「就業規則の周知義務」「解雇制限」「派遣法の誤り」など、労働基準法の基本的規定に関する誤記述問題の出題例として参考になる。 - 令和元年度 I-1-10
働き方改革法の実施内容として「年5日取得義務」「勤務間インターバルの努力義務」「労働時間の客観的把握義務」などが取り上げられており、令和6年度の選択肢②・③・④と対応。
結論
- 本設問(令和6年度 I-1-9)は、令和4年度 I-1-9 の設問③とほぼ同一論点(変形労働時間制の誤解)に基づく問題であり、過去問演習によって確実に得点できる問題である。
- また、他の選択肢(②、③、④)も「働き方改革関連法」以降の基本事項であり、令和元年度の関連問題から補強学習が可能。
補足:問題難易度
- 難易度:やや易〜標準
- 理由:
選択肢⑤は誤りが明確であり、過去問にも繰り返し出題されている定番論点。労務管理の基本的な理解があれば正答に至りやすい設問構成である。
Ⅰ-1-10
令和6年度 I-1-10 の内容(確認)
テーマ: 高年齢者雇用安定法等に基づく高齢者の就業確保措置・定年制度・継続雇用制度等
出題形式: 5つの選択肢のうち「最も不適切なもの」を選ぶ形式
問われている知識:
- 70歳までの就業確保措置(2021年改正)
- 定年に関する年齢制限(60歳未満禁止)
- 継続雇用制度におけるグループ会社の取扱い(特殊関係事業主)
- 無期転換申込権の例外措置(計画認定制度)
- 定年以下の年齢を条件とする労働者募集の可否
根拠:
- 令和2年度 I-1-9(高年齢者雇用安定法関連)
選択肢③に「年齢制限の理由を明示すれば、65歳以下を条件に募集可」とあり、令和6年度 I-1-10 選択肢②に類似。
→ 法的には誤りであり、年齢制限を正当化する要件は厳格であることから、不適切な記述として扱われる。 - 令和元年度 I-1-10(働き方改革関連法)
70歳までの努力義務、勤務間インターバル制度などの「努力義務・義務の切り分け」が出題されており、選択肢①(就業確保措置は努力義務)との比較に有用。
結論
- 本問の不適切な選択肢は②であり、「定年の年齢を下回ることを条件とした募集・採用が許容される」とする記述は誤り。
→ 年齢制限のある募集・採用は、例外的に法令で認められる場合(例:定年の定めがない場合の65歳以上限定募集など)を除き、原則として認められない。 - 令和2年度 I-1-9 を中心に、年齢による雇用条件制限の違法性を問う過去問との照合が有効であった。
補足:問題難易度
- 難易度:標準レベル
- 理由:
就業確保措置や定年制に関する制度的背景は押さえておけば正答可能だが、②の記述が一見正しそうに読めるため注意深い読解が必要。
過去問との照合で法的正確性を判断できるかがカギとなる。
Ⅰ-1-11
令和6年度 I-1-11 の内容(確認)
テーマ: 育児・介護休業法に基づく労働者の権利および事業主の義務(特に産後パパ育休の制度設計・手続き)
出題形式: 5つの記述から「最も不適切なもの」を選ぶ形式
問われている知識:
- 育児・介護休業法に基づく育児休業取得支援義務(個別周知・取得意向確認)
- 産後パパ育休(出生時育児休業)の制度内容(取得可能期間、申し出期限、分割取得の可否)
- 労使協定に基づく就業可能日数の上限規定
- 常時1,000人超の企業に義務付けられた育休取得率の公表義務
根拠:
- 令和5年度 I-1-10
出産・育児に関する職場対応がテーマであり、育児休業制度の法的義務内容が問われていた。特に「育休制度に関する雇用管理上の措置」「不利益取扱いの禁止」「えるぼし等認定制度」など、制度周知や支援措置が焦点。 - 令和3年度 I-1-11
介護休業制度と併せて、育児休業に関する条文理解が問われた(特に取得要件、期間、申出、拒否の可否など)。 - 令和元年度 I-1-10
働き方改革に関連し、育児・介護休業等に関する努力義務と制度設計が出題。ここでも、申出の扱いや企業の体制整備に関する正誤判定が有効。
結論
- 本問の不適切な選択肢は ③ である。
>「初めに申し出た場合は2回に分割して取得できる」
→【誤り】:分割して取得できるのは“2回まで”とされており、「初回申出でなければならない」という制限はない。初回申出に限らず、原則2回の分割取得が可能。
- よって、過去問の取得要件や制度説明問題と比較し、申出回数や手続の柔軟性に関する誤解を突いた設問として対処すべき内容だった。
補足:問題難易度
- 難易度:やや難
- 理由:
制度の概要だけでなく、具体的な手続・条件(例:申出時期と取得回数の関係)に対する正確な理解が求められる。法改正による新制度(2022年施行)である「産後パパ育休」への知識更新がないと判断を誤る恐れがあるため、一定の法令読み込みが必要な設問といえる。
Ⅰ-1-12
令和6年度 I-1-12 の内容(確認)
テーマ: 労災保険制度に関する基礎的理解
出題形式: 法制度に関する記述肢から、最も不適切なものを選ぶ形式
問われている知識の範囲:
- 労災保険制度の目的(業務災害・通勤災害の補償、社会復帰支援事業)
- 労働者の定義(アルバイト・パートを含む)
- 特別加入制度(中小事業主・一人親方等の任意加入制度)
- 複数就業者の保険給付の算定方法(合算の可否)
- 通勤災害の範囲(逸脱・中断の扱い)
根拠:
・令和2年度 I-1-13
→ 労災保険における「業務災害」と「通勤災害」の定義と適用基準が出題され、合理的経路からの逸脱等の扱いに関する内容が含まれていた。
・令和3年度 I-1-14
→ 一人親方や中小事業主の「特別加入制度」に関する記述が登場し、一般加入の可否との違いに焦点があてられていた。
・令和4年度 I-1-14
→ 労災保険制度全体の説明と、適用対象者、通勤災害の判断基準、複数就業の考慮等が問われた。今回と類似する項目(通勤災害、特別加入、労働者定義等)が複数該当。
結論
- 本問は、労災保険制度の適用対象、制度内容、通勤災害の定義、特別加入制度の理解を総合的に問う設問である。
- 記述の一部には、特別加入制度の存在を踏まえない誤解を誘う記述や、複数就業に関する近年の改正内容に関係する部分が含まれており、法改正や制度運用の正確な理解が要求される。
- 過去問との接続性は高く、令和2〜4年度の設問と組み合わせることで、出題意図や盲点が見えやすくなる。
補足:問題難易度
- 難易度:やや難
- 理由:
選択肢のうち、一般的に知られている内容と、制度の運用上の例外的扱い(特別加入や複数就業の合算)とを峻別する必要がある。
直感に反する選択肢を見抜くためには、通勤災害の定義や例外条件、特別加入制度の仕組みなどについて、制度全体の理解が必要となる。
Ⅰ-1-13
令和6年度 I-1-13 の内容(確認)
テーマ: 健康経営(従業員の健康管理を経営的視点から戦略的に推進する取組)
出題形式: 健康経営の趣旨・効果・認定制度・推進体制に関する記述のうち「最も不適切なもの」を選ばせる形式
問われている知識:
- 健康経営の定義と目的(従業員の健康を企業の成長・投資と位置づける視点)
- ESG経営・人的資本経営との関連性
- 健康経営優良法人認定制度(大規模法人・中小法人部門、ブライト500の区分)
- 健康経営推進の体制的要件(経営理念、評価改善、法令遵守など)
根拠:
- 令和4年度 I-1-12
健康管理・ストレスチェック・面接指導義務など、企業の健康配慮に関する法的・制度的理解を問う設問があり、健康経営の制度的・戦略的観点への土台知識として有用。 - 令和3年度 I-1-14(組織マネジメント・人的資源管理)
従業員満足度・職場の心理的安全性など、人的資本と組織パフォーマンスの関連が問われる設問であり、健康経営が組織活性化・企業価値向上にどう寄与するかという文脈理解に寄与。 - 経済産業省「健康経営優良法人認定制度」公式資料(2023年)
制度の正確な理解として、「ブライト500」は中小規模法人部門において顕彰される制度であり、大規模法人部門には該当しない。
→ 本問で問われた内容と明確に矛盾する点が、制度の読み違いとして問われている。
結論
- 本問は、健康経営の概念的理解に加え、具体的制度(認定制度)の仕組みや区分に関する正確な知識が問われた設問である。
- 内容的には他選択肢が概念や理念に関する一般的知識で構成されているのに対し、一つだけ具体的な制度名称・部門区分に関する知識を要する選択肢が含まれており、制度への理解精度が明暗を分ける構造となっていた。
補足:問題難易度
- 難易度:標準〜やや難
- 理由:
健康経営の概念は近年の試験で繰り返し出題されているが、認定制度の「部門別の冠称」まで問う設問はやや知識の深掘りが必要。概念的には正答しやすいが、細部の知識差が結果に影響しやすい問題構成である。
制度に詳しい受験者にとっては難易度が低く、一般的な学習者にとってはやや難しく感じられる設問。
Ⅰ-1-14
令和6年度 I-1-14 の内容(確認)
テーマ: ダイバーシティ・マネジメント(多様性の尊重と企業経営における実践)
出題形式: ダイバーシティの概念・方針・制度的支援・法令との関係について「最も不適切な記述」を選ばせる形式
問われている知識:
- ダイバーシティの定義と要素(属性・価値観・雇用形態など)
- ワーク・ライフ・バランスとダイバーシティの関係
- ダイバーシティ・ポリシーと経営戦略との連動
- 男女雇用機会均等法における積極的改善措置(ポジティブ・アクション)
- ダイバーシティの目的(労働力確保・イノベーション創出)
根拠:
- 令和2年度 I-1-12(ダイバーシティ・マネジメント)
多様な人材の活用とその戦略的意義に加え、「ダイバーシティの推進には業績・生産性等の指標との連携が重要」と明示されており、選択肢③と整合。本設問全体の前提知識として有効。 - 令和3年度 I-1-13(ジョブローテーションや人材活用)
従業員の多様性に配慮した配置や能力開発の在り方が出題されており、ダイバーシティ概念と人事戦略との連関理解に資する内容。 - 令和5年度 I-1-10(雇用均等・ポジティブアクション)
男女雇用機会均等法に基づく性別に応じた優遇措置(ポジティブ・アクション)の可否が明示されており、本問の選択肢④の正当性を判断する基礎となる。
結論
- 本問は、ダイバーシティ・マネジメントの総論的な理解に加え、法制度(特に男女雇用機会均等法)との具体的関係や適法性判断を求める設問構成となっていた。
- 概念的な説明に加え、「採用や昇進に関する優遇措置の法的可否」にまで踏み込んだ選択肢が含まれており、制度趣旨の正確な読み取りが必要な応用的問題といえる。
補足:問題難易度
- 難易度:標準〜やや難
- 理由:
概念的記述(①②③⑤)は比較的明確である一方、④はポジティブ・アクションの法的位置付けに関する理解を問うやや専門的な設問。法律条文や厚労省のポジションを正確に把握していないと誤答する可能性がある。
そのため、ダイバーシティに関する制度的側面まで含めて学習できているかを測る良問となっている。
Ⅰ-1-15
令和6年度 I-1-15 の内容(確認)
テーマ: キャリアオーナーシップ(キャリア自律)とリスキリング(学び直し)の制度・実務・法的枠組みに関する知識
出題形式: 正しい理解と制度運用に基づいて「最も不適切な記述」を選ばせる形式
問われている知識:
- キャリア自律の概念(個人視点のキャリア構築と組織の枠組みの転換)
- キャリアコンサルタントの法的位置付け(職業能力開発促進法)
- キャリア相談における守秘義務とフィードバックの限界
- リスキリングに必要な役割・能力の明確化と企業とのすり合わせ
- 自己啓発支援における企業の取り組み内容(費用・時間・情報)
根拠:
- 令和2年度 I-1-16(人的資源管理と能力開発)
人材開発の手法や支援制度、自己啓発と企業の支援措置のあり方について問われており、本問の選択肢⑤と整合する要素が多い。 - 令和3年度 I-1-14(組織と雇用制度の設計)
ジョブ型雇用や職務定義の明確化に伴うスキル設計、育成制度との関連が問われ、選択肢④の「役割・能力の明確化」とのリンクが見られる。 - 厚生労働省「キャリアコンサルタントに関する指針・Q&A」
キャリアコンサルタントには職業能力開発促進法に基づく守秘義務が課されており、個別の面談内容は原則として企業に開示できないが、傾向分析等の匿名・統計的な形での報告は可能とされている。
→ 本問における「組織的・全体的な課題も報告してはならない」との記述は、厳密には不適切とされる点がポイント。
結論
- 本問は、キャリア支援に関する法制度(職業能力開発促進法)と、実務での運用の境界を理解しているかを問う設問であった。
- 概念的な記述(①②④⑤)は比較的基礎的な内容で構成されている一方で、③は守秘義務の誤解を含んでおり、実務との整合性に欠ける点が見抜けるかどうかが鍵となっていた。
補足:問題難易度
- 難易度:標準
- 理由:
近年重視されているキャリア自律・リスキリングに関する基本的な文脈知識があれば正答できるが、守秘義務の範囲(③)に関する記述がやや引っかけ的であり、実務での判断力やガイドラインの確認経験がないと誤答する可能性がある。
そのため、受験者の制度的理解と実務知識の差が点差として表れやすい設問といえる。
Ⅰ-1-16
令和6年度 I-1-16 の内容(確認)
テーマ: モチベーション理論と行動モデル(人的資源管理)
出題形式: 各種モチベーション理論に基づいた企業施策との対応関係を問う組合せ問題
問われている知識:
- マズローの欲求5段階説:自己実現欲求や承認欲求を含む人間の動機付け構造
- テイラーの科学的管理法:標準作業・インセンティブ賃金による能率向上施策
- マクレガーのX理論・Y理論:人間観に基づく管理スタイル(統制型と自律型)
- ハーズバーグの動機づけ・衛生要因(二要因理論):成果への承認などの動機づけ要因と給与等の衛生要因との区別
- 施策例(持株制度、表彰制度、作業標準と賃率差など)との結び付け
根拠:
- 令和2年度 I-1-15(人的資源管理におけるモチベーション理論)
マズロー、マクレガー、ハーズバーグ、アージリス等の理論の基礎的理解と、それを企業施策と結びつける設問が出題されており、今回の設問構成とほぼ同一形式で参考になる。 - 令和3年度 I-1-12(職務満足とモチベーション向上)
動機づけ要因と衛生要因の違い、報酬と承認の効果などを問う記述問題があり、選択肢(C)や(E)に対応する要素を確認できる。 - 令和4年度 I-1-11(管理理論と人的資源)
X理論・Y理論など、従業員の人間観を前提とした管理理論が問われ、選択肢(B)との連携に参考になる記述が見られる。
結論
- 本問は、人的資源管理における古典的かつ代表的な動機づけ理論4種の特性を理解しているかを判別する良問である。
- それぞれの理論に適合する施策の特徴を見極めるには、単なる暗記ではなく、理論が想定する従業員の行動原理(内発的動機か、外発的動機か等)を理解しているかが鍵となる。
- 過去にも同種の形式で頻出であり、過去問活用が非常に有効な設問と位置付けられる。
補足:問題難易度
- 難易度:標準〜やや易
- 理由:
該当する理論が基本四大理論に絞られており、各理論に対応する施策も典型的なもの(表彰制度=マズロー・ハーズバーグ、持株制度=Y理論、標準作業=テイラー)で構成されているため、基本知識があれば正答可能。
一方、ハーズバーグとマズローの区別(CとAの混同)でミスが起こる可能性があるため、用語の本質的理解が重要。
過去問から抽出したキーワードのカバー率検証
令和元年度から令和6年度までの過去問で取り上げられたキーワードは、現時点で128語確認されており(若干の漏れの可能性あり)、総監「3.人的資源管理」で示されるキーワード204語の約6割に相当します。
したがって、過去問を中心とした学習は、初学者にとって有効な入口となると考えられます。
令和6年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 労働基準法, 年次有給休暇, 変形労働時間制度, 自己申告制 |
| I-1-10 | 継続雇用制度, 定年, 無期転換ルール |
| I-1-11 | 育児休業, 産後パパ育休, 労使協定, 雇用情報公開 |
| I-1-12 | 労災保険, 通勤災害, 中小事業主 |
| I-1-13 | 健康経営, 生産性向上, ESG, 法令遵守 |
| I-1-14 | ダイバーシティ, ワーク・ライフ・バランス, 男女雇用機会均等法, イノベーション |
| I-1-15 | キャリアオーナーシップ, リスキリング, キャリアコンサルタント, 自己啓発 |
| I-1-16 | マズローの欲求5段階説, X理論Y理論, 科学的管理法, 二要因理論 |
令和5年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 労働基準法, 労使協定(三六協定), 割増賃金, 裁量労働制, 労働安全衛生法 |
| I-1-10 | 男女雇用機会均等法, ポジティブアクション, 育児休業, えるぼし認定 |
| I-1-11 | パワーハラスメント, 就業規則, 労働施策総合推進法 |
| I-1-12 | 個別労働紛争解決促進法, 労働審判法, 労働委員会, あっせん・仲裁 |
| I-1-13 | 組織開発, 診断型組織開発, 対話型組織開発, コンテント/プロセス, マクレガーのX理論 |
| I-1-14 | 職能資格制度, 職務等級制度, 役割等級制度, ジョブ型 |
| I-1-15 | 教育訓練技法(ケースメソッド, インバスケット, ロールプレイング, ブレインストーミング) |
| I-1-16 | 心理的安全性 |
令和4年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 就業規則, 年次有給休暇, 変形労働時間制度, 終業・始業間インターバル制度 |
| I-1-10 | パートタイム・有期雇用労働法, 福利厚生, 不合理な待遇差, 紛争調整委員会 |
| I-1-11 | テレワーク, 労働時間制度, フレックスタイム制, 裁量労働制, 最低賃金 |
| I-1-12 | ストレスチェック制度, 面接指導, 健康診断, 労働安全衛生法 |
| I-1-13 | ネットワーク組織, ティール組織, ピラミッド組織, マトリクス組織 |
| I-1-14 | 組織コミットメント(情緒的・功利的・規範的) |
| I-1-15 | ジョブ型, メンバーシップ型, 雇用区分, 専門性, 適材適所 |
| I-1-16 | 人事考課管理, 成績考課(業績考課), 能力考課, 相対評価, 客観性の原則, インセンティブ |
令和3年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 労働組合, 団体交渉, 労働委員会, あっせん・調停 |
| I-1-10 | 労働者派遣法, 派遣先管理, 同一労働同一賃金, 福利厚生 |
| I-1-11 | 育児・介護休業法, 労働基準法, 介護休業, 所定労働時間の短縮, 年次有給休暇 |
| I-1-12 | セクシャルハラスメント, 雇用管理上の措置, 非正規雇用, 派遣労働者 |
| I-1-13 | 組織文化, 前提・仮定, 行動規範 |
| I-1-14 | 労働分配率, 労働生産性 |
| I-1-15 | メンター制度, メンタリング, 女性活躍推進 |
| I-1-16 | 職能別組織, 事業部制組織, 経営者育成 |
令和2年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 男女雇用機会均等法, 高年齢者雇用安定法, 定年, 継続雇用制度 |
| I-1-10 | メンタルヘルスケア, ストレスチェック制度, 衛生委員会, 面接指導, 労働時間通知 |
| I-1-11 | 障害者雇用促進法, 障害者雇用率, 障害者雇用納付金制度 |
| I-1-12 | ダイバーシティ・マネジメント, ワークライフバランス, 差別解消 |
| I-1-13 | ジョブローテーション, 適材適所, 組織理解, 環境適応力 |
| I-1-14 | 技能実習制度, 技能実習法, 最低賃金 |
| I-1-15 | 能力開発, 対人能力, OJT, OFF-JT, 自己啓発, ブレインストーミング |
| I-1-16 | コンピテンシー, サーバントリーダーシップ, ハロー効果, コンテント/プロセス, 組織開発 |
令和元年度
| 問題番号 | 該当キーワード |
|---|---|
| I-1-9 | 男女雇用機会均等法, 高年齢者雇用安定法, 定年, 継続雇用制度 |
| I-1-10 | メンタルヘルスケア, ストレスチェック制度, 衛生委員会, 面接指導, 労働時間通知 |
| I-1-11 | 障害者雇用促進法, 障害者雇用率, 障害者雇用納付金制度 |
| I-1-12 | ダイバーシティ・マネジメント, ワークライフバランス, 差別解消 |
| I-1-13 | ジョブローテーション, 適材適所, 組織理解, 環境適応力 |
| I-1-14 | 技能実習制度, 技能実習法, 最低賃金 |
| I-1-15 | 能力開発, 対人能力, OJT, OFF-JT, 自己啓発, ブレインストーミング |
| I-1-16 | コンピテンシー, サーバントリーダーシップ, ハロー効果, コンテント/プロセス, 組織開発 |




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