ChatGPT 令和2年度 総監記述解答例

【問題】

昨年,我が国は多くの自然災害に見舞われた。そこで,将来の自然災害によるリスクに対して,個々の事業場において事前にどのような対応策をとっておくことが有効か,総合技術監理の観点から考えてみたい。以下の( 1 )~( 3 )の問いにしたがい,次のような枠組で考察せよ。下線が引かれた用語の具体的な意味等については,問いの中で説明する。
まずあなたがこれまでに経験したことのある,あるいはよく知っている事業場を1つ取り上げ,その事業場に将来甚大な被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象を1つ選ぶ。
その異常な自然現象により事業場にもたらされる可能性のある被害を3つ挙げ,それぞれに備えた事前の対策について,既にとられている対策の現況を述べ,さらに今後追加してとるとよいと思われる対策を1つ又は2つ挙げる。最後に,それらの追加対策の実施の優先順位を含めた実施計画について総合技術監理の視点から検討し,提案する。ここでいう総合技術監理の視点とは「業務全体を怖轍し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う。」立場からの視点をいう。
論文の記述に当たっては,被害や対策が事業場にとって特徴的で,かつその説明が専門分野外の人(例えば専門が異なる総合技術監理部門の技術士)にも分かりやすいものであるよう留意されたい。書かれた論文を評価する際,そのような工夫・配慮がなされているかどうかを含め,視点の広さ,記述の明確さと論理的なつながり,そして論文全体のまとまりを重視する。

設問

(1)あなたがこれまで経験したことのある,あるし、はよく知っている事業場を1つ選び,それについて次の①~③に沿って説明せよ。ここで「事業場Jとは,工場,工事現場,農場,事務所,研究所,公共建築物等のように, 1つの場所において事業が行われている場を指し,複数の区域にまたがるものは除くこととする。例えば, 1つの工場,1つの支店店舗,などは事業場としてよいが,県内にあるすべての工場,複数の支店店舗,といったものは事業場とはみなさない。
① 事業場の名称を記せ。
② その事業場で行われている事業の目的及び創出している成果物(製品,構造物,サービス,技術,政策等)を記せ。
③ その事業場の概要を記せ。ここには聞い(2)で記述する被害と対策の特徴を理解するのに必要な事項(例えば事業場の規模や特徴,現状など)を含めること。

解答

① 事業場の名称:XYZ建設会社 大阪プロジェクト

② その事業場で行われている事業の目的及び創出している成果物:
XYZ建設会社の大阪プロジェクトは、都市型の多層ビルディングの設計と建設を行う事業である。主な目的は、大阪都市部の商業と住宅ニーズに対応する高品質で耐久性のあるビルを提供することである。成果物は、商業施設、オフィススペース、そして住宅を含むマルチユースビルディングである。

③ その事業場の概要:
 事業場の規模や特徴:このプロジェクトは、中心地の地価が高い都市部で行われており、限られた土地利用の効率化が重要である。ビルは50階建てを予定しており、地下3階を含む。建設は現代的な技術を用い、特に耐震構造や環境配慮型のデザインが特徴となる。
 現状:現在は設計段階を終え、建設作業が進行中である。ただし、この地域は地震活動が活発であり、また台風の影響も受けやすい。そのため、自然災害が進行中のプロジェクトに影響を及ぼす可能性がある。
 その他:建設現場は繁華街に隣接しており、周囲への影響を最小限に抑えながら安全に作業を進めることが必要とされている。また、作業員の安全確保も重要な課題となっている。

設問

(2)問い(1)で取り上げた事業場に対して,将来,産主怠被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象を1つ選び,それによる主要な被害やそれらに備えた対策について,次の①,②に沿って示せ。ここでの「異常な自然現象」としては,暴風,豪雨, 豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火,又は台風のようにそれらが複合したもの,とする。
感染症の流行は, ここでの異常な自然現象には含めない。
① 取り上げる異常な自然現象を記し,そこで想定している脅威の程度を示すために,それによりもたらされることが予想される事業場の周辺地域における被害状況について記せ。
② この異常な自然現象により事業場が受ける可能性のある主裏ゑ被害を3つ挙げ,その内容を説明し,それぞれの被害の影響を軽減するための事前の備えとして,( i )既にとられている対策の現況を述べ,また(ⅱ)今後追加するとよいと思われる対策を, 1つ又は2つ挙げよ。(i )では,対策は複数あってもよいし,また対策がなされていなければその理由を記せ。また(i )では,その対策の説明と効果についても記すこと。
なおここで取り上げる「被害」には,事業場が直接被る物理的な被害のみならず,より広く,事業場が受ける人的被害や業務上の被害を含んでもよいものとする。ただしそれに対する「対策」は,事業場が自主的に行うことができるものに限る。例えば大雨により近隣の河川が氾濫し工場の周辺道路が寸断され,サプライチェーンが途絶えるといったように,異常な自然現象によりインフラがダメージを受けその影響が工場の業務に大きな影響を及ぼすようなものを被害として取り上げてよい。ただし国などが行うべき道路や堤防の改修などは,ここでの工場
の自主的対策には含めない。
被害にはA, B, Cのラベルを順につける。そして例えば被害Aに対する対策の現況にはA0というラベルを付し,追加する対策にはAl, A2というラベルを付す。これらの被害と対策は次の書式に従って示すこと

被害・対策の書式:
A : 0000・・・(「停電j, 「床上浸水による電気設備の故障」など, 1番目の被害と
その説明)
A0: 〇〇〇〇・・・(被害Aの影響を軽減するために既にとられている対策の現況)
A1: 〇〇〇〇・・・ (被害Aの影響を軽減するための追加の対策1及びその効果の説明)
(A2: 〇〇〇〇・・・(被害Aの影響を軽減するための追加の対策2及びその効果の説明))
B : 〇〇〇〇・・・(2番目の被害とその説明)
B0: 〇〇〇〇・・・(被害Bの影響を軽減するために既にとられている対策の現況)

解答

異常な自然現象として、この工事現場に甚大な被害を及ぼす可能性があるのは豪雨による洪水である。工事現場は川の近くに位置しており、大雨が続いた場合、河川の氾濫とそれに伴う洪水被害が発生するリスクがある。また、豪雨による地盤の緩みも工事現場にとって大きな問題である。事業場周辺地域では、土砂災害、浸水被害、交通網の寸断などが考えられる。

以下に、工事現場が受ける可能性のある主要な被害とそれぞれの対策について説明する。

A:地盤の緩みによる工事の停滞
豪雨により、地盤が緩むと、掘削や基礎工事などが行えなくなる。これは工事の大幅な遅延を招き、結果的に工事費用の増加を引き起こす可能性がある。
A0:現在、予報に基づいて豪雨が予想される場合は、工事のスケジュールを見直し、必要ならば作業を一時停止している。これにより、事前にリスクを抑える努力をしている。
A1:さらなる対策として、地盤の緩みを早期に検出できるセンサーを設置することを提案する。これにより、地盤が緩んだ場合でも早期に対策を取ることができ、工事の停滞を最小限に抑えることが可能である。

B:洪水による工事機械の損害
洪水により工事現場が浸水すると、重機などの工事機械が水没し、大きな損害を受ける可能性がある。
B0:現在、豪雨の予報が出た場合、機械を高台に移動させるなどして対策を取っている。
B1:追加の対策として、浸水センサーを工事現場に設置し、洪水の予兆を早期に察知できるシステムの導入を提案する。これにより、機械の移動に必要な時間を確保し、損害を最小限に抑えることが可能である。

C:洪水によるアクセス困難
洪水は道路の寸断を引き起こし、工事現場へのアクセスを妨げる可能性がある。これにより、工事が遅延し、供給物資の調達にも支障をきたす可能性がある。
C0:現在、周辺の道路状況を随時確認し、必要に応じて代替ルートを確保するなどして対応している。
C1:さらに、工事現場と供給業者との間に緊急時の連絡体制を確立し、物資の確保と供給ルートの最適化を図ることを提案する。

これらの対策は、予防対策と早期対応対策の両方を含んでおり、現状のリスクを最小限に抑えつつ、災害が発生した場合の影響を最小限に抑えることを目指している。特に、豪雨や洪水は予測が難しい自然現象であるため、早期対応が重要である。また、これらの対策は総合技術監理の視点からも経済的に効率的であり、安全管理、人的資源管理、情報管理、社会環境管理の各観点からも適切なものであると考えられる。

設問

(3) 将来の被害の発生に備え,事前にとっておくべき対策の実施計画を立てるに当たっては,想定した被害の発生可能性に加えて, 事業場を運営する主体における予算等のさまざまな制約も踏まえて検討する必要がある。問い(2)で, 「追加するとよいと思われる対策」として挙げた対策の実施の優先順位を含めた実施計画について,総合技術監理の視点から検討し,提案せよ。また,そのような優先順位とした理由も述べること。なお解答の中で被害や対策を引用するときは「AJ や「A1Jというラベルのみを示せばよく, 「被害A:OOOJや「対策A1 OOOJ などと詳しく引用する必要はない。
(ここでは、便宜上「被害A:OOOJにように記述します。)

解答

総合技術監理の視点から考えた場合、被害の可能性、対策の費用効果、そして事業場の運営状況を考慮した優先順位を提案する。

第一に、A1(地盤の緩みを早期に検出できるセンサーの設置)を推進する。これは工事の進行に最も直接的な影響を及ぼす可能性があり、豪雨による地盤の緩みが工事の遅延を引き起こすリスクを軽減する。センサーの設置は比較的低コストで、運用も簡単であるため、初期の投資で大きなリターンが期待できる。

次に、B1(浸水センサーの設置)を考慮する。洪水による工事機械の損害は、工事の遅延だけでなく、機械の修理や交換による追加費用も発生させる。浸水センサーの設置により、洪水の危険を早期に検知し、機械の移動時間を確保することが可能になる。しかし、センサーの設置と運用にはコストがかかるため、初期の対策としてはA1に次ぐ優先順位とする。

最後に、C1(工事現場と供給業者との間の緊急時の連絡体制の確立)を検討する。この対策は人的資源と情報管理に依存するため、具体的なコストは比較的少ないが、人的な調整と時間が必要である。洪水によるアクセス困難は間接的な影響を及ぼすため、直接的な影響を緩和する対策を優先し、その後に考慮する。

これらの対策の優先順位は、直接的な影響、コスト効果、そして運用の容易さを考慮して定めた。最終的には、事業場の具体的な状況とリソースにより調整する必要がある。

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技術士 建設部門

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