ChatGPTによる令和4年度 総監 筆記試験解答チャレンジ

ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデルの1つです。
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、ニューラルネットワークの一種であるトランスフォーマーを使用した自然言語処理のモデルです。
ChatGPTは、大規模な学習データセットを用いてトレーニングされたAIアシスタントで、人工知能による自然言語対話の実現を目的としています。
ChatGPTは、文章を生成し、質問に答え、情報を提供するなど、多様なタスクに対応できます。

総合技術監理部門の択一試験について、試してみました。
あまり正当率は良くありませんでした。
特に、専門的な情報や日本の法律の関しては、非常にあいまいな回答をするということで、それほど期待できないのではと思っていました。(あいまいな回答ですが、はっきりと答えてくるので、厄介です。)

今回は、令和4年度 技術士第二次試験 総合技術監理部門の記述問題が解けるか試してみました。

いいです。
まず、設問の通り解答しようとします。
文字数も制限をかけるとおおよそ守ってくれます。
内容についても、筋が通っています。

択一では回答の精度が悪く期待できませんでしたが、記述についてはなかなか良い結果を出してくれました。

問う時に少し工夫が必要です。
解答時には、文字数が600字前後に制限されており、途中で止まります。
「続けてください」とお願いすると継続してくれます。
また、良い対応をするために、サービス精神旺盛な回答をくれるので、たまに聞いてないことまで答えてくれます。
仕事では気が利く話として良いのですが、試験では余計なことになってしまいます。

それでは、ChatGPT(GPT-4)がどう解答したか見てみましょう。


【問題】

急速に進展する各種デジタル技術の利用により,誰もが日々の業務や生活の中で多大な恩恵を享受している。また現在ではさらに進んで, DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されており,これは「デジタル技術の活用による新たな商品・サービスの提供,新たなビジネスモデルの開発を通して社会制度や組織文化なども変革していく取組」とされている。デジタル技術の活用レベルは事業や組織の置かれた状況により異なるが,それぞれに適したデジタル技術を活用してビジネスやプロセスを変革することにより,やがては社会制度や組織文化の変革をもたらすことに繋がる。本論文では,このビジネスやプロセスの変革について検討してみたい。

なお,デジタル技術の利用・活用とDXとの間に,明確な境界線がある訳ではないのも実情である。工場への自動制御技術の導入や設計における3DCADの出現を変革と捉えることも出来よう。しかしここでは,これまでの過去の変遷についてはデジタル技術の利用とし,最近若しくは未来のデジタル技術を活用してビジネスやプロセスを変革(大幅な効率化や省力化も含まれる。)していく取組をDXとして考えることとする。

そこであなたがこれまでに経験した,若しくはよく知っている事業(研究開発・製品製造・販売・アフターサービス等の業務機能の集合体としての事業,個々の建設プロジェクトの集合体としての事業等が代表例となる。)や組織(役所や法人の全体とすることも,個々の部署や事業部等とすることもできる。)に関するデジタル技術の利用の変遷を振り返り,今後のDX推進に向けた現実的な計画について,総合技術監理の視点から以下の( 1 )~( 3 )の聞いに答えよ。

解答に当たり,事業や組織について,関連するステークホルダーや他組織との連携を含めてもよい。また,ここでいう総合技術監理の視点とは,「業務全体を傭轍し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う。」立場からの視点をいう。なお,書かれた論文を評価する際,考察における視点の広さ,記述の明確さと論理的なつながり,そして論文全体のまとまりを特に重視する。

設問(1)

( 1 )本論文においてあなたが取り上げる事業や組織の内容と,そこにおける過去から現在までのデジタル技術の利用状況について,以下の問いに答えよ。
(問い(1)については、答案用紙2枚以内(1200字程度)にまとめよ。)
① 事業や組織の概要及び役割,あなたの立場を記せ。
② この事業や組織における経営資源(人財・設備・技術等),アウトプット(製品・構造物・サービス・技術・政策等,事業や組織が創出している成果),業務プロセス(経営資源によりアウトプットを創出する過程)を記せ。
③ この事業や組織における,過去のデジタル技術の利用の変遷について,以下の項目をすべて含む形で記せ。なお,その変遷の期間については各自で設定してよい。
・設定した期間の初期段階でのデジタル技術の利用状況
・現在のデジタル技術の利用状況とこれまでの変遷
・変遷の過程で得られた効用と副作用


ChatGPT(GPT-4)による解答:593文字

① 事業や組織の概要及び役割,あなたの立場を記せ。

私は、スマートファクトリーを運営している製造業の中堅企業で、デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトのチームリーダーを務めています。当社は、自動車部品の製造を主な事業とし、最先端のデジタル技術を活用して生産性の向上とコスト削減を図っています。

② この事業や組織における経営資源(人財・設備・技術等),アウトプット(製品・構造物・サービス・技術・政策等,事業や組織が創出している成果),業務プロセス(経営資源によりアウトプットを創出する過程)を記せ。

経営資源:
・人財: エンジニア、データアナリスト、プロジェクトマネージャーなど、DX推進に必要なスキルを持つ人材
・設備: 自動化設備、IoTデバイス、クラウドコンピューティング基盤などのデジタル技術を利用した設備
・技術: AI、機械学習、ロボティクス、ビッグデータ解析などの先端技術

アウトプット:

・製品: 高品質で低コストな自動車部品
・サービス: 顧客ニーズに応じた柔軟な生産計画と納期管理
・技術: スマートファクトリーにおける最適化技術や品質管理技術の開発

業務プロセス:

・市場分析・顧客ニーズの把握
・製品開発・設計
・生産計画・調達
・製造・品質管理
・販売・アフターサービス

③ この事業や組織における,過去のデジタル技術の利用の変遷について,以下の項目をすべて含む形で記せ。

設定した期間: 2010年から現在まで

・初期段階でのデジタル技術の利用状況
2010年代初頭、主に生産ラインの一部自動化や3DCADを活用した設計業務などにデジタル技術が導入されていましたが、全体的には限定的でした。

・現在のデジタル技術の利用状況とこれまでの変遷
現在、スマートファクトリーではIoTデバイスやAI、機械学習、ビッグデータ解析が導入され、生産ライン全体が高度に自動化されています。また、クラウドコンピューティングとデータ分析により、リアルタイムで生産データを収集・分析し、迅速な意思決定や生産計画の最適化が可能になりました。これにより、従来の手法に比べ効率化や省力化が図られています。

・変遷の過程で得られた効用と副作用
効用:
・生産効率の向上: 自動化により、より迅速かつ正確な生産が可能になりました。
・コスト削減: 効率化による省力化や、無駄の削減が実現しました。
・柔軟な生産計画: データ分析により、市場動向や顧客ニーズに迅速に対応できる生産計画が立案できるようになりました。
・品質向上: AIや機械学習を活用した品質管理により、不良品の発生率が低減しました。
副作用:
・技術者のスキル不足: 高度なデジタル技術の導入に伴い、従業員のスキルアップが求められるようになりました。
・セキュリティリスクの増加: クラウドコンピューティングやIoTデバイスの導入により、サイバーセキュリティ対策が重要になりました。
・投資コスト: デジタル技術の導入には高額な投資が必要となり、初期コストが増加しました。


設問(2)

(2)DXを単なるデジタル技術の利用ではなく,デジタル技術を活用したビジネスやプロセスの変革と捉えた場合,( 1 )で取り上げた事業や組織において, DXとして既に実施している取組,若しくは直近に始まるであろう取組について,以下の聞いに答えよ。
((問い(2)については、答案用紙1枚以内(600字程度)にまとめよ。))
① 取組を1つ取り上げ,その概要,活用されるデジタル技術,ビジネスやプロセスに及ぼす変革の内容を記せ。
② その変革によってもたらされる利点と問題点のそれぞれについて,総合技術監理の5つの管理技術のうち2つ以上の視点から記せ。


ChatGPT(GPT-4)による解答:593文字

① 取り上げる取組: リモートメンテナンスサービス 概要: スマートファクトリーにおいて、IoTデバイスやAIを活用して遠隔地から機械や設備のメンテナンスを行うサービスです。データをリアルタイムに収集・分析し、故障や異常を早期に検知・対処できるようになります。 活用されるデジタル技術: IoTデバイス、AI、クラウドコンピューティング 変革の内容: 従来の定期的なメンテナンスや対面でのトラブルシューティングから、リアルタイムでの遠隔メンテナンスへと業務プロセスが変化します。

② 利点と問題点
利点: 経済性管理の視点 – 故障の早期検出により、修理費用や生産損失の低減が期待できます。また、リモートメンテナンスにより、出張費用や時間の削減が可能です。 人的資源管理の視点 – メンテナンス技術者の効率的な配置が可能となり、高度なスキルを持つ技術者をより広範囲に活用できます。

問題点: 安全管理の視点 – リモートメンテナンスにはセキュリティリスクが伴います。遠隔操作による事故や不正アクセスへの対策が必要です。 情報管理の視点 – 大量のデータをリアルタイムで収集・分析するため、適切なデータ管理やプライバシー対策が求められます。

以上の取り組みにより、DXの推進が進んでいる事業や組織では、ビジネスやプロセスの変革が実現されつつあります。総合技術監理の視点から、これらの取り組みを適切に評価し、最適な計画や実施が求められます。


設問(3)

(3)(1)で取り上げた事業や組織におけるDX推進の端緒とするため,来年度からスタートする5か年のDX推進計画を策定するタスクフォースが設置され,あなたはそのリーダーに指名された。タスクフォースの使命は13週(約3か月)でDX推進計画を策定することであり,その計画には,「実現目標J,「取組内容」,「推進体制」,「予算Jなどの項目が盛り込まれることになる。このDX推進計画及びタスクフォースに関して,以下の問いに答えよ。
(問い(3)については、答案用紙2枚以内(1200字程度)にまとめよ。)
① このタスクフォースの中核となるメンバー数名について,その出身母体(又は部署等),スキル,経験等を記せ。なお,中核メンバーを組織内に閉じず,外部から参加させることも妨げない。
② DX推進計画策定に向けた13週のタスクフォースの大まかなスケジュールを考えたい。計画策定に必要な工程を設定し,その時期(第O週等で表現)と期間,各工程の説明を簡潔に記せ。
③ ②で示した工程の中で, DX推進計画を現実的で実現可能なものとするために,あなたが最も重要と考える工程について,その理由を記せ。
④ 現時点でのあなたの仮説として,成果物であるDX推進計画に盛り込まれる「実現目標J及びその実現に必要な「取組内容」を記せ。また,それらを実行するに当たり最も重大な障害とその克服策を総合技術監理の視点から記せ。


ChatGPT(GPT-4)による解答:1137文字

① タスクフォース中核メンバー:

IT部門出身 – スキル: ソフトウェア開発、データ分析、プロジェクト管理。経験: 過去のDXプロジェクトのリーダーとして成功を収めた実績がある。
生産部門出身 – スキル: 生産プロセス管理、業務改善。経験: 生産ラインでの現場経験と業務改善プロジェクトを実施し、成果を上げたことがある。
営業部門出身 – スキル: 営業戦略、顧客対応。経験: 顧客要望の収集・分析し、新サービス開発の提案を行い成功させた実績がある。
外部コンサルタント – スキル: DX戦略策定、組織変革支援。経験: 他企業のDXプロジェクト成功事例の導入をサポートし、高い評価を受けている。

② タスクフォースのスケジュール:
第1-2週: プロジェクトキックオフ、明確な目標設定、関連部門との調整を行い、全員が一体感を持てるようにする。
第3-5週: 現状分析、課題抽出、外部事例の調査を行い、現状と改善すべき点を明らかにする。
第6-8週: 解決策の検討、実現目標の設定、取り組むべきDXプロジェクトの選定を行い、最適なプロジェクトを選択する。
第9-11週: 推進体制の構築、予算策定、実行計画の作成を行い、スムーズな実行ができる体制を整える。 第12-13週: 計画の最終調整、承認申請、報告を行い、計画を経営陣に提案し、実行に移る準備を整える。

③ 最も重要な工程: 第6-8週の解決策の検討、
実現目標の設定、取り組むべきDXプロジェクトの選定 理由: 適切なプロジェクト選定と目標設定が、計画の成功に直接影響を与えるため。また、リソースと期待される効果のバランスを考慮することが重要である。

④ 実現目標: 生産効率の20%向上、故障率の30%削減、顧客満足度の10%向上

取組内容:
・IoTデバイスやAIを活用した予兆検知・遠隔メンテナンスの導入により、故障率の削減と効率的なメンテナンスを実現。
・ビッグデータ分析を活用した生産プロセスの最適化により、生産効率の向上を目指す。
・顧客対応のデジタル化による顧客満足度向上を実現し、企業の競争力を強化する。

最も重大な障害: 社内の抵抗や慣習による変革への抵抗
克服策:
・経営陣の全面的な支援を確保し、変革の意義を社内全体に伝える(経済性管理)。
・DX推進のリーダーやチャンピオンを各部署に配置し、変革を牽引させる(人的資源管理)。
・社内外の成功事例やベストプラクティスを共有し、従業員の理解と協力を得る(情報管理)。
・研修や教育プログラムを通じて、従業員のスキルアップを図る(人的資源管理)。
・KPIを設定し、達成状況を可視化・評価することで、結果に対する責任を明確化する(社会環境管理)。
・DXプロジェクトの過程でデータセキュリティやプライバシー保護を確実に実施し、従業員や顧客の信頼を維持する(安全管理)。


ChatGPTの学習データは、2021年までのものです。
ネット上で確認できる汎用技術については、豊富な情報を背景に良い回答をくれますが、専門的で情報がそれほど気軽にアクセスできないあるいは学習データに含まれていないと考えられる分野については、回答の精度が落ちます。
日本の法律などについては、ある程度までが限界と言えるでしょう。
それらしい回答をしますが、自分で確認するということが求められます。

論文対策においては、良い道具になるでしょう。
自分で書いたものをすぐに校正してもらうことができます。
ただし、内容を踏まえた評価については、指導が必要になるでしょう。
書いた内容が妥当なものかという判断はAIにはできません。
そうした意味で、自分でできる修練は道具を使って効率よく行い、質を上げるための修練は指導を受ける中で習得するか、自ら情報にアクセスし研さんする必要があるでしょう。

現在ChatGPTでプラグインができるようになりつつあります。
最新情報や特別な分野での情報取得についても改善される可能性が高いです。
テクノロジーを活用していきましょう!

以上、ChatGPTに書かせた文章を載せておきます。

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この記事を書いた人

技術士 建設部門

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