超ざっくり 技術士法

技術士等の定義が書かれている技術士法について、特に口頭試験で関連があると思われるところに絞り、ざっくりとまとめてみました。

技術士法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=358AC0000000025

技術士法は、第1章から第8章(第5章は削除)と附則から構成されています。

目次

第1章 総則

 技術士法の目的、技術士の定義、欠格条項の記述があります。受験をするにあたり、最低限知っておくことです。素晴らしい技術者というあいまいな概念ではなく、具体的な定義が記載されています。

第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。

第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。

技術士の業務については、「計画、研究、設計、分析、試験、評価」に限定されており、例えば「計測」や「調査」単体では、その業務として認められません。業務自体は、「計測」「調査」であっても、その結果について「科学技術に関する高等な専門的応用能力」を活かした「分析」や「評価」をする場合は、「分析」「評価」として経歴をアピールすることができます。

科学技術の向上のほかに、「国民経済の発展に資する」も併記されています。口頭試験あるいは業務経歴の記載においては、科学技術を応用した業務実施の結果、国民経済の発展に具体的にどのように貢献したかということが明確にされなければならないでしょう。

第3条には、欠格条項が記載されています。
https://hourei.net/law/358AC0000000025#a3

第2章 技術士試験

省略

第3章 技術士等の登録

省略

第4章 技術士等の義務

口頭試験等で必ず問われるところですね。第44条から第47条にかけて記述があります。
信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、公益確保の責務、名称表示の場合の義務、資質向上の責務等があります。

第4章 技術士等の義務
https://hourei.net/law/358AC0000000025#a44

技術士の名称表示の場合の義務

第46条 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。

技術士を名乗る場合には、部門まで名乗りましょう。というものです。科目については、義務となっていませんが、私が取得した建設部門では、業務の特性から、科目まで明確にするのが一般的ではないかと思います。

第5章 削除

省略

第6章 日本技術士会

省略

第7章 雑則

第57条 技術士でない者は、技術士又はこれに類似する名称を使用してはならない。

基本的に技術士と名乗れるのは、技術士法で定められた方法によって認められた者に限られます。
例外が一つあり、陸上無線技術士(旧無線技術士)は、技術士が含まれる資格名となっていますが、1950年制定された資格で、技術士が認可された1951年(1958年制定)以前の制定であるため、その制約を受けていません。
一方、技術士が認可された1951年以降である1985年に制定された社団法人日本実験動物協会(日動協)の「実験動物技術」は、その名称を「実験動物技術」に変更しています。これは、日本技術士会からの連絡(2005年4月)により対応されたものです。

実験動物技術「師」と「士」に関する名称について(社団法人日本実験動物協会)
http://jaeat.org/news/news012.html

第8章 罰則

技術士法に違反した場合の罰則が記載されています。
技術士に対する罰則としては、秘密保持義務違反で1年以下の懲役又は50万円以下の罰金。試験機関関連では、その内容により、1年以下の懲役または30万円の罰金、試験機関に不備のある場合は、内容に応じ20万円~50万円の罰金を科されることになっています。
そのほか、第3条で欠格条項が定められ、その期間を二年間とされています。

罰金の額について、1957年5月に定められた時には、技術士の秘密保持義務違反は1年以下の懲役又は1万円以下の罰金とされていました。昭和30年当時の大卒初任給が1.1万円とされていた時代の話になります。

裁判の判例等を検索すると、技術士の剥奪に関して判例が出てきますので、罰則は適宜適用されてきたのかもしれません。
いつの間にかそういった事態に陥る可能性があり、我々も他人事として聞き流してよい話ではないようです。
指導書やネット情報が豊富ですので、技術士になるまでに技術士法に目を通さなくても合格はできると思いますが、そもそもこの資格って何だろう?と理解するには、技術士法は見ておいた方が良いでしょう。

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この記事を書いた人

技術士 建設部門

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