総監キーワードが毎年出されています。
2025年⇒2026年の対比をしてみました。以下の通りです。
大きくは情報系(AI関連)のキーワード増加ですね。
一般部門と同様です。
目次
項目の変更は、ありません。
ページ数は変更がありました。
前書き
変更なし
総合技術監理
変更なし
経済性管理
2.1 事業企画
変更なし
2.2 品質の管理
変更なし
2.3 工程管理
2026年版で「クリティカルパス」が削除されています。
PERT/CPM と クリティカルパスは本来不可分の概念にもかかわらず、
2026では CPMは残しつつ「クリティカルパス」という用語のみ削除
これは意図的整理というより
冗長語削除(PERT/CPMに内包されるため)
と考えるのが妥当。
→概念の否定・軽視ではありません
2.4 原価管理・管理会計
実質的内容差異:あり(複数のキーワード追加)
2026年版は管理会計・経営指標寄りに拡張
定義文の趣旨は同一だが、扱う射程が明確に広がっている
2026年版で追加されたキーワード

削除されたキーワードは、なし
2026年版では、原価管理を従来の製造現場における原価低減手法にとどめず、ライフサイクル全体を見据えたコスト評価や、WACC・ROICといった資本効率指標を通じて、経営意思決定や長期的な価値創出を支援する管理会計ツールとして位置づける方向に整理されている。
これは、ESGへの配慮や長期投資判断、経営戦略と原価管理の一体化を強く意識した構成である。
2.5 財務会計
実質的内容差異:あり(重要)
2026年版は財務会計を「国際基準・包括的業績表示」へ拡張
外部報告という基本定義は同一だが、報告内容の範囲と基準が明確に更新されている
2026年版で追加された項目

2026年版で削除・置換された項目

「企業会計原則」→ 戦後日本会計の基本原則(やや概念的)
「企業会計基準」→ 実務・基準書体系を明示(ASBJ)
⇒ 単なる表記変更ではなく、実務基準重視へのシフト
財務会計の目的や基本的な枠組みは維持されたまま、2026年版においては、包括利益の導入や企業会計基準・IFRSの明示を通じて、国内中心の原則論的な整理から、国際的な比較可能性と長期的な企業価値評価を重視した外部報告制度へと位置づけが明確化されている。
これは、キャッシュ・フロー情報を含む財務情報を基盤として、グローバル資本市場やESGを意識した経営評価に対応する方向性を示した構成といえる。
2.6 設備管理
変更なし
2.7 計画・管理の数理的手法
2026年版で削除された項目

人的資源管理
3.1 人の行動と組織
変更なし
3.2 労働関係法と労務管理
2026年版で追加された項目

2026年版で削除された項目

労働関係法と労務管理の目的や対象範囲自体に変更はなく、労働時間管理、賃金管理、労使関係、メンタルヘルスといった基本的な射程は2025年版と2026年版で共通している。
一方で2026年版では、障害者雇用促進法による雇用の量的確保に加え、障害者差別解消法を明示することで、人権や包摂性を前提とした労務管理の視点がより明確に示された。
これは、LGBT理解増進法や人的資本経営・情報公開といった近年の動向とも整合し、労務管理を制度運用にとどめず、社会的要請や人的資本の質的価値を踏まえて捉えようとする整理といえる。
3.3 人材活用計画
変更なし
3.4 人材開発
具体化された項目(2026)

情報管理
4.1 情報分析と情報活用
実質的内容差異:あり(比較的大きい)
2026年版は「AI・生成AI・オープンデータ」を明示的に組み込み、情報分析・活用の射程を拡張
章の基本構造は維持しつつ、現代的手法を体系内に正式に位置づけた改訂
2026年版で追加された主要項目

2026年版で削除・整理された項目

情報分析から情報活用へと至る基本的な枠組み自体は2025年版と2026年版で共通しており、統計分析やビッグデータ分析、経営・マーケティング分析、ナレッジマネジメントといった中核的な考え方は維持されている。
一方で2026年版では、人工知能や生成AIの明示により、情報分析が人による解析に加えてAIによる支援や生成を含むものとして整理され、さらにオープンデータや関連法制度を通じて、企業内部にとどまらない官民連携や社会的活用まで視野に入れた構成へと拡張されている。
4.2 コミュニケーション
実質的内容差異:あり(整理・集約による重点化)
2026年版では「技法の列挙」を抑え、説明責任・対外対応・デジタル化に重心を移している
コミュニケーションの基本的枠組み自体は維持されている
2026年版で削除された主な項目

→個別技法の列挙がまとめて削除されています。
表現変更・具体化(意味は同一)

維持・強調されている項目

コミュニケーションの基本的な考え方自体は維持されているが、2026年版では個々の対人技法への言及を整理し、説明責任や情報公開、ステークホルダー対応、デジタルツールの運用、緊急時対応といった、組織や社会との関係の中で行われるコミュニケーションに重心を移した構成となっている。
これにより、コミュニケーションを個人の技能ではなく、組織として管理・実行すべき行為として捉える視点がより明確になっている。
4.3 知的財産権と情報の保護と活用
基本的な枠組み・対象範囲は同一
2026年版では「デジタル化・個人情報高度化」への対応が補強
知的財産そのものの考え方に転換はなく、保護・活用の前提条件が現代化されている
2026年版で追加された主な項目
デジタルライツ
マイナンバー法
→ いずれも、デジタル環境下での権利管理・個人情報管理を明示する追加。
表記の変更(意味は同一)

削除された項目なし
知的財産権や個人情報保護、独占禁止法を対象とする基本的な枠組みは維持されている。
一方で2026年版では、デジタルライツやマイナンバー法を明示することで、従来の制度整理にとどまらず、デジタル化の進展を前提とした権利管理や個人情報管理まで含めて捉える構成となっており、情報の活用と保護を現実的に両立させようとする視点がより明確になっている。
4.4 情報通信技術動向
クラウド/オンプレミスの併記は、単一基盤志向から構成選択・併用を前提とした現実的整理への移行を示している。
AI関連技術の個別削除は、技術トピックとしての新規性よりも、他技術(IoT・CPS・デジタルツイン)の内部要素として扱う段階に入ったことを示唆する。
デジタルツインのCPS化は、可視化中心の概念から、物理系と情報系の双方向連携・制御を含む枠組みへの昇格を意味する。
V字モデルやスクラム等の削除は、開発方法論の細分化よりも、代表的プロセスに集約した整理を意図したものと考えられる。
メタバースの明示は、仮想技術をエンターテインメント用途に限定せず、業務・設計・運用空間として扱う位置付けを反映している。
情報システム実現方法の動向

情報システム活用方法の動向

デジタルトランスフォーメーション(DX)の技術

システム開発プロセス

4.5 情報セキュリティ
「サイバー安全保障」の追加により、情報セキュリティの対象が、
企業・組織内部の管理問題から、国家・社会インフラを含む安全保障領域まで拡張されたことが明確になっている。
ウイルス対策ソフト → セキュリティ対策ソフトという表現変更は、
マルウェア対策を単一機能ではなく、EDR・統合防御・運用込みの対策群として捉える整理と解釈できる。
多要素認証の整理は、技術個別論ではなく、
認証設計の考え方(要素の組合せ)を重視する方向への移行を示している。
CC/JISECの明示は、セキュリティを「対策実施」ではなく、
第三者評価・認証による信頼確保の枠組みとして整理し直したものと考えられる。
対象範囲(冒頭文)の変更

情報セキュリティ対策技術

情報セキュリティの認証制度

新規追加項目

安全管理
5.1 安全の概念
「安全経営」「事業安全」「BCP・BCM」の削除は、安全を経営スローガンや事業継続論として個別に立てるのではなく、
日常の保全・運用・技術管理に組み込む方向へ整理した結果と考えられる。
RBM単独から TBM/CBM/RBM への再編は、リスク評価偏重から、
時間・状態・リスクを組み合わせた保全体系への移行を示している。
スマート保安・OTセキュリティの追加は、IoT・DX化した現場において、
安全・保安・セキュリティを分離せず一体で扱う必要性が高まったことを反映している。
「安全/安心」という併記は、技術的安全の確保だけでなく、
社会的受容性・信頼形成まで含めた安全概念へ拡張した整理と解釈できる。
概念・体系レベルの変更 安全の捉え方・位置づけ

マネジメント・経営関連

社会・事業・利用者安全

技術・運用・保全関連
(1)保全・検査手法

(2)セキュリティ領域

(3)保安・運用高度化

法制度・枠組みの整理

削除された主な項目(一覧)

追加された主な項目(一覧)

5.2 安全に関するリスクマネジメント
前提条件や運用管理要素(レビュー・改善・記録等)が明示から外れたため、
リスクマネジメントは「制度や仕組みの説明」よりも、リスクそのものの把握と構造化に重点が置かれている点に留意する。
リスク図からリスクマップ/マトリクスへの整理により、
リスクは定性的に語る対象ではなく、発生確率と影響度を掛け合わせて比較・判断する対象として扱う必要がある。
シナリオ分析やトータルリスクミニマムの削除は、
高度・抽象的な分析よりも、基本的で共通理解しやすい評価手法の活用を重視する姿勢を示している。
「リスク対応方針」から「リスク対応」への簡素化により、
方針策定よりも、実際にどの対応(保有・低減・回避・共有)を選択するかが重視される。
同調バイアスの追加により、
個人の判断誤りだけでなく、組織・集団意思決定におけるリスクの見落としへの注意が必要となる。
変更点一覧

5.3 労働安全衛生管理
変更なし
5.4事故・災害の未然防止活動・技術
「対応」の削除や計画表現の簡素化により、事後対応や計画論よりも、日常的・継続的な未然防止活動そのものに重点が移っている点に留意する。
本質安全の統合、機能安全・冗長安全の追加は、対策の列挙ではなく、安全設計思想とシステム構成としての安全確保を重視する整理と捉えられる。
人間工学原則の明示は、ヒューマンファクタを精神論ではなく、設計・作業条件に組み込む対象として扱う姿勢を示している。
安全立証から安全論証への拡張は、安全を「満たしているか」だけでなく、合理的に説明・説明責任を果たせるかまで含めて考える必要性を示唆している。
作業マニュアル → SOPへの変更は、属人的な手順書から、標準化・再現性を重視した運用文書への整理を意図したものと解釈できる。
変更点一覧

5.5 危機管理
自然災害の詳細列挙や避難指示の削除により、個別災害対応の説明から、
危機全般を俯瞰する枠組み重視へ整理されている。
確率論的リスク評価・深層防護の追加は、
危機管理においても 工学的・構造的なリスク評価手法を取り込む姿勢を示している。
警戒レベルの説明追加は、制度の名称理解よりも、
住民・関係者が取るべき行動との対応関係を重視する方向への補正と読める。
BCP/BCMの追加により、危機対応が一時的対応に留まらず、
事業・組織の継続性確保まで含めた管理概念として位置付けられている。
変更点一覧

5.6 システム安全工学手法
FTA・ETAの詳細構成要素(頂上事象、最小カットセット、初期事象等)が削除されたことで、
手法の理論構成を細かく説明することよりも、各解析手法を使って事故進展を捉えられるかが重視されている。
MORT、J-HPES、冗長安全、深層防護、人間工学原則の明示削除により、
安全工学を包括的思想や防護概念として論じるよりも、代表的・汎用的な分析手法への集中が意図されている。
制御システムが信頼度解析の対象から外れたことで、
制御理論寄りの説明よりも、故障モードや因果関係の整理、原因分析(RCA)に重点が移っている。
VTA → VTA法、根本原因分析 → RCA 併記といった表記整理は、
手法としての位置づけを明確にし、実務で通用する名称に揃える意図と考えられる。
全体として、
「安全を説明する概念群」から「安全を分析するための道具群」へ整理された点を踏まえ、
用語の背景理論よりも、どの場面でどの手法を使うかを説明できることに留意する必要がある。
変更点一覧

社会環境管理
6.1 地球的規模の環境問題
「デカップリング」の追加により、環境対策は単なる負荷低減ではなく、
経済成長と環境負荷の切り離しをどう実現するかという構造的視点で捉える必要がある。
昆明・モントリオール生物多様性枠組と30by30の分離表記は、
国際枠組そのものと、具体的数値目標(実行指標)を区別して理解することを求めていると解釈できる。
「自然共生圏」の削除と「特定外来生物」の明示は、
抽象的な共生概念よりも、管理・規制・対策が明確な対象への関心の移行を示している。
生物多様性分野全体として、
理念・ビジョン中心から、実装・管理・制御可能な要素を重視する方向への整理が進んでいる点に留意する。
全体として、
地球規模課題を「理念として理解する」段階から、
政策・制度・行動指標として具体的に扱う段階へ一段進んだ構成になっていると読み取れる。
変更点一覧

6.2 地域環境問題
SAICMからGFCへの置換は、化学物質管理の対象が「化学物質単体」から廃棄物を含むライフサイクル全体へ拡張されたことを示すため、製造・使用・廃棄まで一貫した管理視点が必要となる。
GFCの導入により、国際的には実効性・履行重視の枠組みへ移行している点に留意し、理念説明ではなく管理・実装の具体性が求められる。
変更点一覧

6.3 環境保全の基本原則
変更なし
6.4 組織の社会的責任と環境管理活動
TCFD/TNFDが「提言」と明示されたことで、単なる国際枠組や組織名の理解ではなく、
企業が実際にどのような情報を開示し、経営判断に反映するかという実務的視点が重要となる。
気候(TCFD)と自然資本(TNFD)が並列して整理されたことから、
環境管理は温室効果ガス対応だけでなく、生物多様性・自然資本リスクを含む統合的対応が前提となっている点に留意する。
CDP・SBT・RE100との位置関係の整理は、
目標設定(SBT・RE100)、評価・開示(CDP)、財務的整理(TCFD/TNFD)という
役割分担を意識した理解を求めていると読み取れる。
全体として、CSRやEMSを「理念・管理制度」として説明するだけでは不十分であり、
経営・投資・情報開示と結びついた環境管理活動として捉える必要がある。
変更点一覧

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