総監択一・問題分析【6.社会環境管理】

平成21年度以降の問題は、択一問題40問があり、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理の順番に、8問ずつが出題されています。
問題分析は、平成21年度を対象に行いました。
平成20年度以前については、別途分析します。

21 総合技術監理部門|公益社団法人 日本技術士会

目次

各年度問題分析

令和6年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-33気候変動と日本の気象影響エルニーニョ、海面水温、気温傾向、気圧配置穴埋め(用語選択)
I-1-34再生可能エネルギーとFIT制度FIT、太陽光、再エネ賦課金、出力制御、買取価格不適切な選択肢
I-1-35生物多様性と国際条約ワシントン条約、種の保存法、名古屋議定書、30by30、IPBES不適切な選択肢
I-1-36循環型社会とプラスチック資源戦略循環型社会基本法、3R+Renewable、マテリアル・サーマルリサイクル不適切な選択肢
I-1-37異常気象と防災・適応策ヒートアイランド、液状化、Eco-DRR、グリーンインフラ、線状降水帯不適切な選択肢
I-1-38環境基本計画と政策手法直接規制、枠組規制、経済的手法、手続的手法、自主的取組不適切な選択肢
I-1-39組織の社会的責任と環境マネジメントESG、グリーンボンド、EMS、環境会計、TNFD不適切な選択肢
I-1-40エシカル消費と表示制度・森林認証エコマーク、プラマーク、森林認証、賞味期限、消費期限穴埋め(用語選択)

令和5年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-33温室効果ガスと排出実態CO₂換算、エネルギー起源CO₂、メタン、HFC適切な選択肢
I-1-34第6次エネルギー基本計画カーボンニュートラル、S+3E、再エネ、化石エネ、原子力不適切な選択肢
I-1-35ラムサール条約と湿地保全条約湿地、湿地利用制限、人工湿地、国家的利益による廃止不適切な選択肢
I-1-36プラスチック資源循環促進法海洋プラ問題、事業者・市町村・国の責務、再資源化不適切な選択肢
I-1-37環境政策手段の分類と例示パフォーマンス規制、環境税、補助金、PRTR、環境影響評価制度穴埋め(用語選択)
I-1-38環境政策用語の理解カーボンプライシング、パックキャスティング、エコブランディング不適切な選択肢
I-1-39環境アセスメントと法的手続方法書、準備書、評価書、第一種・第二種事業、公告と説明会不適切な選択肢
I-1-40TCFDと気候財務情報開示ガバナンス、戦略、インベントリ分析、移行リスク、物理的リスク不適切な選択肢

令和4年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-33地球温暖化対策と都市政策カーボンニュートラル、都市機能分散、IMO、交通網整備不適切な選択肢
I-1-34再エネ特措法とFIT制度固定価格、地熱、賦課金、全国一律、経済産業大臣穴埋め(用語選択)
I-1-35外来生物法と規制内容特定外来生物、ヒアリ、ブラックバス、許可制、微生物の除外適切な選択肢
I-1-36バーゼル条約と廃棄物輸出入有害廃棄物、国境越え移動、非締約国との協定、輸出入量、同意原則不適切な選択肢
I-1-37異常気象と防災・減災流域治水、特別警報、警戒レベル、避難情報、洪水浸水想定区域不適切な選択肢
I-1-38環境問題と法規制騒音規制、石綿調査、PM2.5、NOx・PM法、自然由来土壌汚染不適切な選択肢
I-1-39環境影響評価法と事業者手続配慮書、方法書、準備書、説明会、事後調査、環境保全措置適切な選択肢
I-1-40ESG投資の意義と手法国連責任投資原則(PRI)、グリーンボンド、ネガティブ・スクリーニング不適切な選択肢

令和3年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-33SDGs実施指針と国内施策SDGs改定、未来都市、三側面、広報啓発、「新しい公共」不適切な選択肢
I-1-34エネルギー白書2020と消費動向エネルギー自給率、省エネ、部門別消費、OECD比較適切な選択肢
I-1-35生物多様性保全と国際条約生物多様性条約、名古屋議定書、カルタヘナ議定書、相互作用不適切な選択肢
I-1-36循環型社会基本計画(第4次)3断面指標(入口・循環・出口)、Rの優先順位、災害廃棄物、資金供給不適切な選択肢
I-1-37公害関連法と対象範囲大気・水質・騒音・土壌・ダイオキシン規制不適切な選択肢
I-1-38環境基本計画と政策手法の分類直接規制、枠組規制、経済的手法、情報的手法、手続的手法不適切な選択肢
I-1-39環境影響評価法と施設区分第一種・第二種、非対象、道路・原発・太陽光の分類適切な選択肢
I-1-40環境教育と法制度・ESD環境教育等促進法、教育基本法、ESD、国際的枠組み不適切な選択肢

令和2年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-33気候変動適応法と国の責務適応計画、努力義務、国環研、温室効果ガスの誤認識不適切な選択肢
I-1-34生物多様性と保護条約・法制度種の保存法、ワシントン条約、ラムサール条約、外来生物法適切な選択肢
I-1-35プラスチック資源循環戦略レジ袋有料化、熱回収、マイクロプラ、生分解性、アジア連携不適切な選択肢
I-1-36リサイクル関連法の適用範囲容リ法、家電、食品、建設資材、自動車リサイクル法適切な選択肢
I-1-37気候変動の長期傾向猛暑日、冬日、短時間強雨、無降水日、統計期間不適切な選択肢
I-1-38第五次環境基本計画と重点戦略地域循環共生圏、パリ協定、重点戦略、震災対応不適切な選択肢
I-1-39環境影響評価法の手続構造配慮書、方法書、準備書、評価書、報告義務適切な選択肢
I-1-40社会的責任と環境管理活動ISO26000、EA21、ESG投資、環境会計、トリプルボトムライン不適切な選択肢

令和元年度

問題番号テーマキーワード例問題の特徴
I-1-332030アジェンダとSDGsの特徴SDGs、5つのP、人間・地球・繁栄・平和・連帯、共通目標不適切な選択肢
I-1-34第5次エネルギー基本計画と電源構成ベースロード・ミドル・ピーク分類、水素エネルギー、安定供給、多層構造不適切な選択肢
I-1-35循環型社会形成推進基本法の理念役割分担、優先順位(再使用→再生利用→熱回収→処分)、資源有効利用不適切な選択肢
I-1-36放射性物質汚染と回復状況除染進捗、空間線量、湖沼水質・底質モニタリング、セシウム検出率適切な選択肢
I-1-37環境政策の原則(5原則)源流対策、協働原則、補完性原則、未然防止、予防的取組不適切な選択肢
I-1-38環境影響評価法の手順配慮書→スコーピング→調査→準備書、環境アセスメント手続適切な選択肢
I-1-39環境管理用語とその定義環境会計、環境報告、EMS、SRI、カーボンフットプリント適切な選択肢
I-1-40大気汚染と環境基準の達成状況NO₂、SPM、PM2.5、光化学オキシダント、SO₂不適切な選択肢

以下、作成中

過去問演習は有効か?

過去5年分(令和元年~令和5年)の問題を踏まえることで、令和6年度の多くの設問に対応可能であった。したがって、過去問を活用した出題傾向の把握は、試験対策として有効である。
以下、確認結果です。

Ⅰ-1-33

令和6年度 I-1-33 の内容(確認)

気候変動に関連し、エルニーニョ現象発生時の気象への影響について、西太平洋熱帯域の海面水温変化や積乱雲の活動、日本の夏季・冬季の気温傾向に関する記述の空欄補充問題。


根拠:

・令和2年度 I-1-37「我が国の気候の長期的傾向に関する記述」
 ⇒ 年平均気温や猛暑日・冬日の増減など、気候変動の長期的傾向に関する統計的知見に基づいた出題がされている。特に「猛暑日の増加」「冬日の減少」などは、気象現象と気温の関係に関する理解を問うもの。

・令和3年度 I-1-37「異常気象と防災・減災」
 ⇒ アメダスの降水量記録や、気象庁による特別警報の定義などを踏まえた気象観測と災害リスク評価の知識が問われており、異常気象の一因としてのエルニーニョ・ラニーニャに間接的に関連。


結論

本問は、エルニーニョ現象が日本の季節ごとの気温に及ぼす影響(夏季の冷夏傾向、冬季の暖冬傾向)を正しく理解しているかを問うものであり、気候変動の基礎的知識の定着度を測る典型的な「気象メカニズム問題」として位置づけられる。
直接的な同型問題は過去には少ないが、令和2年度 I-1-37の統計傾向令和3年度 I-1-37の気象災害文脈など、周辺知識との接続によって対応可能であった。


補足:問題難易度

中程度。
気象ニュース等で一般にも知られるエルニーニョ現象と気温変化の関係を問うものであり、知識があれば確実に得点可能。用語レベルでは基礎的だが、「エルニーニョ→夏冷・冬暖」の対応を具体的な空欄補充形式で問うため、知識を理解していないと誤選択のリスクがある。過去問での出題蓄積が少ないため、初見での対応力が問われた。

Ⅰ-1-34

令和6年度 I-1-34 の内容(確認)

FIT制度(再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度)に関する知識を前提に、再生可能エネルギーの導入実態、制度上の仕組み、需給調整の取組等を踏まえた記述のうち、最も不適切なものを選ばせる問題。


根拠:

・令和4年度 I-1-34
 再エネ特措法に基づく固定価格買取制度に関する空欄補充問題。太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった対象電源の列挙や、再エネ賦課金、全国一律単価、経済産業大臣による決定といった制度構造が出題された。

・令和3年度 I-1-33
 エネルギー白書に基づき、エネルギー供給や再エネ導入の傾向と社会的意義に関する出題があり、再エネの導入が需給に与える影響やその対策もテーマとなっていた。

・令和元年度 I-1-34
 第5次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーを巡る基本方針(主力電源化・S+3E)や制度的な役割についての理解を問う選択肢が出題されている。


結論

本問は、FIT制度の仕組み(対象電源、賦課金の負担構造、買取価格の設定単位)および再エネ大量導入に伴う需給バランス調整(出力制御、火力抑制、揚水運転など)に関する知識が求められる。
令和4年度 I-1-34において非常に近い形式の問題(空欄補充)で制度理解を問われており、本問もその直接的延長線上に位置付けられる。再エネの出力制御など技術的・制度的運用面にまで踏み込んだ点は、令和3年度のエネルギー政策問題とも整合的である。


補足:問題難易度

中程度。
FIT制度の対象電源や賦課金の仕組み、価格の一律性の有無など、制度の基礎を正しく理解していれば消去法で正答に至りやすい。
一方で、「出力制御」や「揚水発電を使った需給調整」などやや専門的な運用面に言及した記述も含まれており、受験者によってはやや難しく感じる可能性もある。
制度理解と実務的運用への接続を問う点で、近年の傾向を反映した設問といえる。

Ⅰ-1-35

令和6年度 I-1-35 の内容(確認)

生物多様性の保全に関する国際条約・法律・国内施策・科学的枠組み(IPBES)、および保全目標(30by30)、啓発活動(「森里川海」プロジェクト)などに関して、制度的背景とその内容に関する正誤を問う選択肢形式の問題。


根拠:

・令和4年度 I-1-34
 外来生物法やラムサール条約、ワシントン条約、里山の保全など、生物多様性に関する条約・法律・概念を広範に扱う問題が出題。条約の対象範囲や定義、国内制度との関係など、今回と類似の出題構成である。

・令和3年度 I-1-35
 生物多様性国家戦略や名古屋議定書、カルタヘナ議定書など、生物多様性と国際的枠組みとの関係を問う内容。特に遺伝資源とLMOに関する誤認が選択肢の判別に重要であり、本問と直接対応する知識を含んでいた。

・令和元年度 I-1-35
 循環型社会形成推進基本法に関連する「生物の多様性」や「自然資源の保全的活用」に関する理念的・制度的アプローチの理解を問うものであり、生物多様性に関する政策的背景に重なる要素があった。


結論

本問は、生物多様性に関する国際条約(ワシントン条約・名古屋議定書)と国内法(種の保存法)、さらにIPBES報告書30by30目標などの現代的アプローチを幅広く押さえているかを問う内容であった。
特に令和3年度 I-1-35では名古屋議定書とカルタヘナ議定書の違いが明確に問われており、本問での誤答肢の見抜きに直結する。
過去問で名古屋議定書の内容を誤って覚えていた場合、LMO関連の選択肢で誤る可能性が高く、過去問の復習が有効に機能する設問であったといえる。


補足:問題難易度

中〜やや高め。
用語の表面的な知識ではなく、「どの国際枠組みがどの対象に適用されているか(名古屋議定書とカルタヘナ議定書の違い)」を正確に理解していないと正答に至れない。
一方、他の選択肢(30by30やIPBES、森里川海プロジェクト)は比較的ニュース等でも目にする内容であり、消去法でも解ける構成。
制度と条約の正確な結び付けを問う「知識の深度」を評価する良問。

Ⅰ-1-36

令和6年度 I-1-36 の内容(確認)

循環型社会形成推進基本法およびプラスチック資源循環戦略に基づき、3R+Renewableの取組内容、廃プラスチックの利用実態、カーボンニュートラルの概念等について正誤を判定させる設問。


根拠:

・令和4年度 I-1-35
 プラスチック資源循環戦略に基づく施策について、バイオマスプラスチックの活用、マイクロプラスチック対策、海洋プラスチックへの対応などを扱う問題。今回の設問と同一戦略を対象としており、用語・優先順位・ライフサイクル対応に関する基礎が問われた。

・令和3年度 I-1-36
 第四次循環型社会形成推進基本計画を踏まえた施策に関し、「3Rの優先順位」や「災害廃棄物への対応」など、循環型社会の構造的理解を前提とした出題。

・令和元年度 I-1-35
 循環型社会形成推進基本法における基本原則や用語の整理、循環資源の扱いに関する法的な定義づけを問う設問があり、今回の選択肢①と近似の知識を求めていた。


結論

本問は、法制度の基本原則(優先順位)戦略の具体策(マイクロビーズ・3R+Renewable)実際の排出と処理構造(マテリアル・ケミカル・サーマル)など、循環型社会を支える施策の定義・構造・現状を総合的に問う設問。
特に令和4年度 I-1-35
は、プラスチック資源循環戦略に関して詳細な設問が出題されており、本問の理解にも直結する。
また、法的優先順位に関する記述(発生抑制→再使用→再生利用→熱回収→処分)も令和元年度 I-1-35で問われており、明確な対比が可能である。


補足:問題難易度

やや高め。
文言がいずれも正しそうに見えるため、「条文レベルでの知識(優先順位)」や「実態データ(排出比率)」を把握していないと消去が難しい。
また、「マテリアル>ケミカル>サーマル」の順に誤認しやすい点や、3R+Renewableの戦略的な定義を把握していないと判断を誤る可能性があり、知識の正確性が試される。

Ⅰ-1-37

令和6年度 I-1-37 の内容(確認)

異常気象や自然災害とその対策に関する知識を問う設問であり、ヒートアイランド現象、液状化、Eco-DRR、グリーンインフラ、線状降水帯など、近年の防災・減災分野で注目される用語や考え方に関する理解が求められる。


根拠:

・令和4年度 I-1-37
 異常気象と防災・減災に関する設問。気象観測結果や特別警報、流域治水、避難情報などに関する知識が問われており、線状降水帯や気象災害と制度対応の関連について理解が求められた。

・令和2年度 I-1-33
 気候変動適応法や気候変動適応計画に関する出題。国や地方自治体の対応、指標設定の困難性といった視点から、異常気象を制度的に捉える考え方が取り上げられている。

・令和元年度 I-1-36
 原子力災害後の環境回復に関する出題だが、災害対応・環境モニタリング・対策の実効性に関して、災害と環境リスクの連動という観点で共通項あり。


結論

本問は、最新の気象災害(例:線状降水帯)や地震被害(液状化)といった自然災害に対する基礎知識だけでなく、Eco-DRRやグリーンインフラのような防災の新たなアプローチについても幅広く問う総合問題である。
特に令和4年度 I-1-37
は、線状降水帯や特別警報といった気象災害用語に加え、避難情報制度の整備と実効性への理解を前提としており、本問の基礎知識に直結している。


補足:問題難易度 h4

中程度。
全ての選択肢が実際に使われている専門用語で構成されており、一見すると正しく思えるが、Eco-DRRの定義の一部に逸脱があるなど、微妙な言い換えに注意が必要
時事性のある用語(例:令和6年能登半島地震、線状降水帯)を正確に理解しているかが問われる点で、ニュースや施策動向のフォローが重要となる設問である。

Ⅰ-1-38

令和6年度 I-1-38 の内容(確認)

第五次環境基本計画(平成30年閣議決定)に示された環境政策の「実施手法」に関する記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題。直接規制的・枠組規制的・経済的・手続的・自主的取組手法といった分類ごとの定義と適用対象についての理解が問われる。


根拠:

・令和3年度 I-1-38
 第五次環境基本計画に示された「7つの政策手法」のうち、各種手法と適用事例の組合せを問う設問。直接規制的・情報的・手続的・経済的・枠組規制的手法などが登場し、今回の選択肢分類と完全に一致。

・令和4年度 I-1-37
 環境政策手段に関する選択肢の中で、「パフォーマンス規制」「環境税」「PRTR制度」など各手法の適用対象・制度的意義を問う内容であり、制度の分類理解に関して共通する土台を持つ。


結論

本問は、環境政策の具体的手法に関する分類の正確な定義理解を試すものであり、第五次環境基本計画に盛り込まれた「環境政策の7手法(直接規制的、枠組規制的、経済的、情報的、手続的、自主的、その他支援的)」のうち主要な5分類に焦点を当てている。
特に令和3年度 I-1-38での実例との対応問題を踏まえていれば、今回の選択肢⑤「自主的取組手法」と「情報的手法」の混同を見抜くことができた。情報開示は「情報的手法」の典型であり、「自主的取組」とは本来、事業者等の自主基準・行動計画などを指す。


補足:問題難易度

中程度。
分類名称自体は過去問で頻出だが、「情報提供=情報的手法」といった知識の精度が必要。各手法の名称がそれらしく記述されているため、表面的な用語理解では誤選択しやすく、制度定義に対する深い理解が得点の分かれ目となる設問。

Ⅰ-1-39

令和6年度 I-1-39 の内容(確認)

組織の社会的責任と環境管理活動に関連する用語や枠組みに関し、ESG金融、グリーンボンド、環境マネジメントシステム、環境会計、TNFDといったキーワードを含む記述の中から、制度的に不正確なものを選ばせる設問。


根拠:

・令和3年度 I-1-40
 ISO26000(社会的責任)、環境マネジメントシステム(EMS)、ESG投資、環境会計などについての定義や役割を問う内容が登場し、本問の大半の選択肢とテーマが重なる。特に「EMS=義務かどうか」など制度的背景の理解が問われた。

・令和2年度 I-1-36
 環境管理におけるリサイクル制度、企業の責務、コストと効果の可視化といった環境配慮活動の仕組みに関連した記述問題があり、企業の経営戦略としての環境マネジメントと環境会計の位置づけが明示された。

・令和元年度 I-1-39
 環境マネジメントシステムや環境報告、社会的責任投資、カーボンフットプリントなどの定義が問われ、今回の選択肢の大部分に共通する背景知識を再確認できる内容だった。


結論

本問は、ESGやTNFDといった近年の国際潮流から、グリーンボンドやEMS、環境会計といった既存の制度・仕組みの定義と法的立場に至るまで、非常に幅広く環境管理の視点を問う設問。
選択肢③の「環境マネジメントシステムが会社法上の大会社に義務付けられている」とする記述は制度的に誤りであり、任意取得であることを令和3年度 I-1-40等で確認していれば容易に誤りと判断可能
その他の記述は、ESG金融・グリーンボンド・環境会計・TNFDの最新動向を踏まえたもので、比較的新しいトピックも含まれていたが、正確に整理されている。


補足:問題難易度

やや高め。
ESG・TNFDといった最新の枠組みへのキャッチアップが求められる点や、環境マネジメントシステムの「義務化」といった法制度の誤解を誘う記述が含まれており、表面的な用語理解では判断が難しい。
特に、制度として義務か任意かを問う問題設定は、過去問で繰り返し問われているため、復習済みであれば有利に働く問題。

Ⅰ-1-40

令和6年度 I-1-40 の内容(確認)

エシカル消費をテーマとし、エコマークやプラマークなどの環境ラベル、森林認証制度の実施主体、食品表示における「消費期限」と「賞味期限」の違いに関する理解を問う空欄補充形式の設問。


根拠:

・令和5年度 I-1-38
 「エシカル消費」の概念とその構成要素(人・社会・地域・環境への配慮)について定義された設問あり。持続可能性の観点から、消費者行動と社会課題の関係を理解しておく必要があった。

・令和3年度 I-1-38
 第五次環境基本計画とその具体的施策において、環境ラベル(エコマーク等)の役割や市民行動に影響を与える情報開示手法(情報的手法)などを含む問題が出題されており、エコマークをはじめとする認証ラベルの意義が確認できる。

・令和元年度 I-1-33
 SDGsに関連して「2030アジェンダ」や「持続可能な消費と生産」に関連する記述が問われ、消費者行動が社会・環境に与える影響に対する認識が求められた。


結論

本問は、「エシカル消費」という時事性の高いキーワードを中心に、

  • エコマーク(第三者認証ラベル)
  • 森林認証制度の所管(林野庁)
  • 賞味期限と消費期限の定義
    という3つの周辺知識を横断的に確認する構成となっている。
    特に「エコマーク」と「プラマーク」の混同や、「賞味期限」「消費期限」の使い分けは令和3~5年度の関連出題でもテーマになっており、過去問学習により正答に至る可能性が高い構成だった。

補足:問題難易度

やや易しい。
エコマークや林野庁による森林認証、食品期限表示(特に「消費期限:安全性」「賞味期限:おいしさ」)といった基本事項がわかっていれば、空欄補充形式で確実に得点できる。
時事的なテーマである一方、出題内容自体は基礎的な知識確認に近く、初学者でも対処可能な得点源問題といえる。

過去問から抽出したキーワードのカバー率検証

令和元年度から令和6年度までの過去問で取り上げられたキーワードは、現時点で170語確認されており(若干の漏れの可能性あり)、総監「6.社会環境管理」で示されるキーワード206語の約8割に相当します。

したがって、過去問を中心とした学習は、初学者にとって有効な入口となると考えられます。

令和6年度

問題番号該当キーワード
I-1-33エルニーニョ現象/ラニーニャ現象
I-1-34再生可能エネルギー、再生可能エネルギー特別措置法、固定価格買取制度、再生可能エネルギー賦課金
I-1-35生物多様性、ワシントン条約、種の保存法、名古屋議定書、IPBES、30by30、森里川海プロジェクト
I-1-36循環型社会形成推進基本法、3R、プラスチック資源循環戦略、海洋プラスチック問題、カーボンニュートラル
I-1-37ヒートアイランド現象、Eco-DRR、グリーンインフラ
I-1-38環境基本計画、規制的手法、経済的手法、手続的手法、自主的取組手法
I-1-39ESG金融、グリーンボンド、環境マネジメントシステム(EMS)、環境会計、TNFD
I-1-40エシカル消費、森林認証制度

令和5年度

問題番号該当キーワード
I-1-33温室効果ガス(GHG)
I-1-34エネルギー基本計画、カーボンニュートラル、S+3E、再生可能エネルギー
I-1-35ラムサール条約、鳥獣保護管理法、自然公園法
I-1-36プラスチック資源循環法、海洋プラスチック問題、廃棄物処理、循環型社会
I-1-37パフォーマンス規制、環境税、補助金、SDS、PRTR制度、環境ラベル、環境影響評価制度
I-1-38カーボンプライシング、バックキャスティング、エシカル消費
I-1-39環境影響評価法、スクリーニング、準備書、評価書
I-1-40TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

令和4年度

問題番号該当キーワード
I-1-33カーボンニュートラル、温室効果ガス(GHG)、省エネ法、エネルギー起源CO₂
I-1-34再生可能エネルギー、再生可能エネルギー特別措置法、固定価格買取制度、再生可能エネルギー賦課金、経済産業大臣
I-1-35特定外来生物、外来生物法
I-1-36バーゼル条約、バーゼル法、海洋プラスチック問題、廃棄物処理、循環型社会
I-1-37気候変動、流域治水、異常気象と防災、ハザードマップ(洪水浸水想定区域)、ソフト・ハード対策
I-1-38PM2.5、VOC、SOx、NOx、大気汚染防止法、アスベスト問題、土壌汚染対策法
I-1-39環境影響評価法、スクリーニング、準備書、評価書、事後調査、環境保全措置
I-1-40ESG投資、グリーンボンド、国連責任投資原則、ネガティブ・スクリーニング

令和3年度

問題番号該当キーワード
I-1-33持続可能な開発目標(SDGsの17の目標)、SDGs未来都市、持続可能な開発、経済・社会・環境の統合的視点
I-1-34エネルギー、エネルギー白書、エネルギー自給率、一次エネルギー、化石エネルギー、省エネ
I-1-35生物多様性、生物多様性基本法、生物多様性国家戦略、生物多様性条約、名古屋議定書、カルタヘナ議定書、ワシントン条約、ラムサール条約
I-1-36循環型社会形成推進基本計画、災害廃棄物、3R、循環型社会、サステナブルファイナンス(関連)、市民参加・行動
I-1-37大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、ダイオキシン類対策特別措置法、騒音規制法、公害、特定有害物質、水銀
I-1-38環境基本計画、パフォーマンス規制、経済的手法、情報的手法、手続的手法、環境ラベル、再生可能エネルギー(※固定価格買取制度)
I-1-39環境影響評価法、第一種事業、第二種事業、スクリーニング
I-1-40環境基本法、環境教育、持続可能な開発のための教育(ESD)、ESD for 2030、環境教育等促進法

令和2年度

問題番号該当キーワード
I-1-33気候変動適応法、気候変動適応計画、温室効果ガス(GHG)
I-1-34生物多様性、種の保存法、レッドリスト、ラムサール条約、ワシントン条約、外来生物法、特定外来生物
I-1-35プラスチック資源循環戦略、バイオマスプラスチック、レジ袋の有料化、マイクロプラスチック、海洋プラスチック問題
I-1-36容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法
I-1-37気候変動、猛暑日、冬日、短時間強雨、無降水日、気候変動の影響評価
I-1-38環境基本計画、パリ協定、地域循環共生圏、持続可能な開発
I-1-39環境影響評価法、計画段階環境配慮書、スクリーニング、準備書、評価書
I-1-40ISO 26000、エコアクション21、ESG投資、環境会計、組織の社会的責任(SR)

令和元年度

問題番号該当キーワード
I-1-332030アジェンダ、持続可能な開発目標(SDGsの17の目標)、グローバル・パートナーシップ、SDGs実施指針、ミレニアム開発目標
I-1-34第5次エネルギー基本計画、エネルギー、カーボンニュートラル、温室効果ガス、ベースロード電源、S+3E(背景)、水素エネルギー
I-1-35循環型社会形成推進基本法、循環資源、資源有効利用促進法、廃棄物処理、3R(再使用・再生利用・熱回収)
I-1-36放射性物質による環境問題、汚染状況重点調査地域、湖沼の水質・底質、空間線量率、除染、ALPS処理水(関連)
I-1-37源流対策原則、協働原則、補完性原則、未然防止原則、予防原則、環境政策の基本原則
I-1-38環境影響評価法、配慮書、準備書、スコーピング、スクリーニング、環境アセスメント手順
I-1-39環境会計、環境マネジメントシステム(EMS)、カーボンフットプリント、社会的責任投資(SRI)
I-1-40大気汚染防止法、環境基準、二酸化窒素、浮遊粒子状物質(SPM)、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント、二酸化硫黄、典型7公害

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よろしければシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次