令和6年度の受験者統計を見ると、
受験を申し込んだが受験しなかった人が、6千人程いらっしゃいました。
気持ちがよくわかります。
そうした人に向けた記事です。
また、これは今の自分にも言い聞かせるために書いています。
技術士試験と向き合う心構え
技術士は国家資格であり、法律で定められた制度のもとで認定されます。
この資格は名称表示の制約を受けるだけであり、独占業務資格ではありません。
特例として、実質的に独占業務と呼べるものもあり、特に公共事業ではその傾向が顕著です。
資格取得者にとっては、国からの認定を受けることは名誉であり、素晴らしいことだと言われることもあります。
しかし、あえて言うならば「たかが資格」です。
技術士試験のプロセスは、筆記試験と20分程度の口頭試験のみです。
筆記試験では専門技術について問われますが、限られた時間内での筆記では、やり取りできる情報量も限られています。
口頭試験では、経歴書をもとに技術士にふさわしい業務経験があるかを確認する程度です。
つまり、技術士試験は、その人の技術的な専門能力や課題解決能力を評価するものですが、
試験の特性上、資質のすべてを測ることはできません。
資格を取得して個人が享受するメリットとして、企業によっては報奨金や手当が支給される場合があります。
しかし、それだけのために取得するものではないでしょう。動機は様々です。
繰り返しますが、技術士はあくまでも資格の一つに過ぎません。
受験の現実と試験対策
分業化が進んだ現代において、自分の専門分野が技術士の各部門・専門の枠よりも狭いこともあれば、範囲のズレを感じることもあります。
それでも、試験では60点で合格できるため、すべてに完璧に答える必要はありません。
実際、一発合格する人もいれば、何年もかかる人もいます。
私自身も6回目の受験でようやく合格しました。
仕事をしながらの受験は厳しいものです。
特に受験資格が得られる5~7年目の技術者は、仕事の責任が増し、業務と勉強の両立が難しくなります。
ベテランになればさらに重責を担うこともあり、試験対策に時間を割くのは容易ではありません。
所属する会社や部署によっても違うでしょう。
私の肌感覚では、大手ほど取りやすい環境はあると思います。
私は会社に勤める技術者として受験しました。
会社で指導を受けることはなく、頼りにしたのは「sukiyaki塾」のAPECさんのサイトだけでした。
外部に講師を求めることはせず、独学で試験対策を行いました。
スケジュールに沿って論文を提出する学習方法では、仕事を優先してしまい約束を破る可能性があると考えたためです。
筆記試験は独学で対策し、口頭試験だけは模擬試験に申し込みました。
(口頭試験は、第三者のアドバイスが必要です。)
合格した年は、それまでと少し違う取り組みをしました。
4月上旬にわずかな時間ができたため、初めて過去問に取り組みました。
ただし、解答を実際に書くのではなく、問題を見て答えを想像し、解答例を確認するという方法でした。
試験直前の7月下旬も仕事で忙しく、結局ギリギリまで対策を進められませんでした。
前日の夜中に予想問題を検索し、朝の移動時間に覚えることで、最低限の準備だけに留まりました。
本番では、業務で得た知識を活用しつつ、たまたま直前に見た予想問題が役に立ち、結果的に合格できました。
学校の勉強と違い、実務上の問題を簡略化されたものが問われます。
学校で勉強をしなかった人も、業務においてプレッシャーにさらされ取り組んで得た知識は、この試験では結構役に立つことが多いです。
過去問を見るのは解答のお作法を押さえるためです。
忙しい人へのメッセージ
この話は「私が大変だった」ということを伝えたいわけではありません。
受かるためにがっつり勉強できる人はそれで良いと思いますが、
これは「そんな余裕がないから受験を見送ろうとしている人」に向けた方法です。
年度初めや帰宅時間などの隙間時間に、
過去問を見て、解くのではなく、問題を見て答えを想像し、解答例と照らし合わせます。
せいぜいトータル8時間程度で、3日に分ければ2時間半/日です。
試験直前は、短時間でできる予想問題のチェックを行います。
有料でも価値があるかもしれません。
受験者には仕事があり、個人の時間や家族との時間も大切です。
毎週詰め込み勉強をするか、試験を諦めるかの二択にするのではなく、
適度に力を抜きながら、ほんの少し運を引き寄せて取り組んでみるのはいかがでしょうか。

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